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【閉店】東千葉随一のディープスポット? 椿森の蕎麦屋「有栖」で頂く、牛鍋焼きうどん
飲食店は、北から南、日本中のどこに行っても存在するが
お年寄りから子供まで、誰にでもウエルカムな風貌のお店もあれば
地元民でなければ入りづらい、一見さんには敷居の高い風貌のお店も数多くある。
今日、紹介したいお店は、正にその「後者」
入りづらさこの上ない、風貌をしたお店となる。
場所は、JR東千葉駅から千葉国立病院へ向かう途中。
モノレール沿いの国道126号より、「椿森中学校入り口」の交差点から国立病院方面へ入ってすぐ。
(詳細な場所の説明をしたとして、行きたいと思う方が居るかどうか怪しいが・・・)
民家が多く並ぶ住宅街にて、異彩を放つ風貌のお店となるのがこちら
看板の店名部分が外れており、外からは店名を知る事すら出来ないが
食べログ等の情報によると「有栖」という名の、そば・うどん屋さんとなります。
新規のお客さんであっても、入りやすい雰囲気を与えるべく
清潔感や第一印象を良くすることが、飲食店経営の鉄則(基本過ぎて誰も語らないのかも知れない)だが
そんな掟など、どこ吹く風といった佇まい。
ここは海からほど近い漁師のお宅なのか?
と錯覚するばかりに、店前には大量の網が掲げられているものの、そこに何かが干されている訳でもない。
また、このお店一軒なら気にはならないものの、同店の隣りに並ぶ一軒家?お店?
ともおぼしき建物と、お揃いの色違いで建ててしまったような外観。
何故うどん屋を青にして、その隣のお店?民家?をピンクにしてしまったのか
ツッコみだしたらキリが無いほどに、間違い探しの様な訂正箇所が次々に見つかる始末。
車で外を走っているだけでは、その実態がなんなのかすら気付かないが
この様に、入り口前まで近づくと、同店が「蕎麦・うどん屋さん」であることにようやく気付く。
この、いかにも「初心者お断り」な風貌のお店へ、突入してみました。
千葉の○○○シュラン、「有栖」は品揃えの多さもハンパなかった
「とんねるずのみなさんのおかげでした」のワンコーナーである【きたなシュラン】にて取り上げられる店舗の特徴として、
『やたらとメニューが豊富』といった要素が挙げられる。
誰が呼んだか、千葉市の「きたなシュラン」・・・とも噂される、こちらの「有栖」
そのメニュー数はというと、この通り
本職であるうどん・蕎麦はもちろんの事、
蕎麦屋の定番でもあるカレーは当然、ハンバーグや生姜焼き定食までが取りそろう豊富ぶり。
しかも、卓上にあるメニューだけに留まらず、店内の至る所に
お店の壁紙なのかと見間違えるほど、壁一面を埋め尽くすメニューの数々。
当然、卓上にあったテキストベースのメニュー表には記載のない「裏メニュー」の様なものも数多く存在する。
が、これだけのメニュー数がありながら、1000円を超えるものは
「カツカレー」の一品のみ。
そば、うどんの多くは500~800円以内、
ボリューミー(である事が予想される)な定食であっても800~900円前後。
このリーズナブルさも、一見さんをお断りする風貌ながら、地元民に長らく愛される飲食店である由縁なのかも知れない。
豊富すぎるメニューから、何故か牛鍋焼きうどんをセレクト
あまりにも豊富なメニュー数の多さに、悩むこと5分。
新規のお店であればこそ、同店のお勧めメニューを頂きたいところではあるが
これだけ豊富なメニュー数を取り揃えるお店とあっては、店主さんですら何をお勧めすべきか悩むだろう。
また、暗黙のルールとして
表記の目立つメニューや、人の目が止りやすい箇所(メニューの左上など)には
同店店主がお勧めするメニューを掲載する傾向が強いものである。
しかし、外見からして飲食店の常識をぶち破っている「有栖」さんについて言えば
飲食店に於ける暗黙のルールすら通用するとは思えない。
ここは自分の直感を信じるべく、五感を研ぎ澄ましてメニューを模索。
その結果、ニュータイプの勘が弾きだした答えは
「牛鍋焼きうどん」となった。
注文を終え、うどんの到着を待つ間に、新たなお客さんが来店。
入店と同時にメニューを見ず、注文を告げている感じから察するに、ご近所に住む常連さんの様だ。
(ちなみに注文したメニューは略されていたため、ナンなのか分らなかった)
その後、パートさんが出勤してくるや否や、大きな声で私に向かい
「いらっしゃいませー」
と声を掛けてくれるなど、一見さんを訝しがることない、実に雰囲気の良いお店である。
注文から待つこと10分、パートさんがグツグツした鍋を持ち登場。
「お熱いので、鍋には触らない様に注意して下さいねー」の一言を添えられ、登場したのがこちら。
タイトルにウソ、偽りが一切ない、正真正銘
「牛鍋焼きうどん」である。
グツグツに煮立った鍋に投入されたうどん、そしてその上には
牛丼の具材を思わせる色合いに煮込まれた牛肉と、粗めのくし切りにされた玉ねぎ。
それら具材を一つにまとめ上げるべく、最後に投入されたであろう玉子。
私の思い描いていた「牛鍋焼きうどん」と、寸分違わず良くも悪くも、想像通りのビジュアルにて提供されてきた。
とは言え、肝心なのは味の方である。
グツグツと煮立ったうどんを小皿に取り分けながら頂いてみると・・・
なんというか、異常なまでに普通OF普通なうどん。
いや、普通過ぎて気付かなかったが、これは製麺所の作るうどんではなく
いわゆる「ご家庭」で食べられるうどんである。
蕎麦・うどん店の暖簾を掲げてはいるものの、うどんそのものへのこだわりは見当たらない。
などと思いながら箸を進めていると、先ほど出勤してきたパートさんと店主が会話を始めた。
「さっきドンキホーテ行ったら、今日●●●●のうどんが、3個入りで78円だったんで、大量に買ってきたよ!」
『あら、安いじゃない! ウチも子供が好きだから買って帰ろうかしら』
・・・・おい。
今私の食べているうどんが、ドンキホーテで3個入り78円で売っていたとしても、そこに文句を言うつもりは無い。
が、その要らん情報を、
今、正にそのうどんを、目の前で食べている客の前で、大声で伝える必要はあったのか?
とのツッコみが、思わず口から漏れそうになったものの、冷静に現状を把握し直してみた。
今、私がランチを食べている店が、あーだこーだと能書きをタレる、気取ったパスタ屋だとして、
大した具材も乗っていないのに1皿1000円のパスタを食べていたとする。
その私の前で、店主が
「今日、タイヨーでママーのパスタが半額だったよ」
などと客前で口を滑らせようものなら、これはもう「おぃ!!」となっても仕方ない話だ。
が、私が今居る場は「千葉のきたなシュラン」とも噂される、不思議な風貌の蕎麦屋だ。
メニューの多さと安さをウリに、地元民が足繁く通う一介の蕎麦屋でしかない。
この店のセールスポイントは、メニューの豊富さと安さであって、素材や具材へのこだわりをウリにしている訳ではない。
毎日通って貰ったとしても、飽きること無く、その都度食べたいメニューが安価で食べられ
近隣住人に満腹になって貰う事こそが生きがい(かどうか、知らないが)な店主さんなのだ。
同店において、安く素材を仕入れると言うことはすなわち、経営努力なのである。
本来ならお客に見られる事の無い、見えない努力の様を、たまたま私が目にしてしまっただけのこと。
そんな店主の見えない努力に対し、私が「おぃ!」と声を挙げる事の方が、むしろ無粋にすら思えてきた。
飲食店は星の数ほどあれど、そのどこもが必ずしも「美味い店」を目指している訳では無い。
同時にお客だって、その全てが「美味い店」に拘っている訳では無く、評価すべき点は様々ある。
少なからず、ここ椿森の「有栖」には、味では評価することの出来ない、心配りや愛想の良さ
そして、経営努力する様を隠さず、開けっぴろげにしてしまう穏やかさがある。
今更ながら、飲食店経営の奥の深さを知ると共に
美味いことを追求するばかりが、飲食の全てでは無い事に気付いたランチでした。
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有栖
■ありす
■ 住所:千葉県千葉市中央区椿森2-9-3
■ 営業時間:不明(11時過ぎから営業開始の模様)
■ 定休日:不明